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メモNO.2「ゆとり世代の消費」

2009年10月29日 14:42

「ゆとり教育」で育った世代が成人を迎えている。ゆとり世代の定義は諸説あるが、日経MJは1987年度生まれ以降と定め、消費者調査を実施した。
その結果は、異性相手よりも一人遊びや同性の友人を重んじ、読書好きで、買い物ではネット通販よりも実店舗を好むことが分かった。
一人遊びをいとわない「おゆとり様」世代は約2000万人とみられ、新たな消費層を生み出しつつある。

【休日は一人や同性と過ごすのが楽】
休日の過ごし方は「パソコンで遊ぶ」「テレビやDVDを見る」「自宅で音楽を聴く」「何もしないでのんびり」「読書する」など、一人で自室で楽しむ巣ごもり系が上位を占めた。特に読書は「携帯電話で遊ぶ(メールやゲームなど)」を3.3ポイント上回った。
「ゆとり教育世代は子供のころから『個化』の環境が整っていた。安全のとりでである自室にこもり、適度な距離感で人とコミュニケーションを楽しむことを快適と感じる」(野村総合研究所主任コンサルタントの松下東子氏)
「休日を一緒に過ごして楽しい相手は」、ゆとり世代のトップは同性の友人(44.0%)で、独身団塊ジュニアのトップである「恋人」(34.3%)は20.6%にすぎない。
親・兄弟は10.9%で、独身団塊ジュニアの1.6倍。

【しまり屋な男性に対し、女性は外向的】
・「休日の過ごし方について」男性はパソコンやテレビゲームなど上位5位がすべて一人で巣ごもるものだったのに対し、女性は2番目に買い物(42.9%)が入った。
休日を誰と過ごすかでは、男性の場合は68.9%が「一人」だったのに対し、女性は48.0%で、半数以上が友人や親など誰かしらと一緒と答えている。
・「周りの空気を読むことに敏感だ」に「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた人の割合は男性の68.5%に対し、女性が76.3%と高い。
・「対人関係では相手よりも自分が傷つかないことを優先する」女性が46.3%で、男性の50.7%を上回る。男性が煩わしい人間関係を遠ざけがちな一方で、女性はそれも込みで人とかかわっている。
母娘消費でバブル景気を経験した母親からゆとり世代の娘へ、バブル的消費感覚が伝承された可能性がある。女性の「成人したらお酒を飲みたい」75.1%、「海外旅行は好きだ」60.8%、「国内旅行は好きだ」90.0%、「ご褒美支出をしている」75.9%は、いずれも男性よりも回答率がポイント10ポイント以上高かった。

【ネットでチェック、買い物はお店で】
ネット通販と店での買い物のどちらが好きかを尋ねたところ「店で買い物」派は61.7%を占めた。
若い女性に人気の高い携帯通販サイト「ガールズウォーカー」を展開するブランディング(旧ゼイヴェル)の椋林裕貴店舗開発プロデューサーは「現実感が大事で、店に行って質感などを確かめたいのが今の若者」と語る。
同社のサイトには商品名とともに品番名を併記している。ネットで店にその品番の在庫があるかどうかを確かめ「店頭で携帯画面の品番を見せて『これください』という人が多い」。椋林氏は「自分が信じたモノにしか反応せず、店に行ったら確実に手に入れたいという気持ちが強い。他人と比べない絶対評価の導入など『個性』『自主性』を重んじる教育が背景にある」と分析する。

【おしゃれは個性重視、セレクト店より古着】
・「ゆとり支持型」の典型は、カジュアル衣料専門店ポイントの「ローリーズファーム」、古着販売店ウィゴーの「WEGO」、婦人服専門店クロスカンパニーの「アースミュージックアンドエコロジー」。「団塊ジュニア支持型」は、カジュアル衣料世界最大手の米「ギャップ」とセレクトショップの「ユナイテッドアローズ」。
ゆとり世代から見ると、ギャップは知名度は73.0%超と高いが、購入経験者は32.0%にとどまり、「今後買いたい」は20.4%、「魅力を感じる」は16.7%だった。ユナイテッドアローズでの購入経験者は、わずか7.7%。価格が高く、インターネットと若者向けファッション雑誌で膨大なファッション情報を手元に持つゆとり世代にとっては「商品のセレクトは自分の仕事」ととらえているフシもある。
両世代ともに最高数値を付けたのが「ユニクロ」だ。知名度はほぼ100%。購入経験者はゆとり教育世代は87.6%、団塊ジュニア世代は93.2%に達した。「今後買いたい」でも両世代とも50%を超えるなど幅広い層に受け入れられている。

【学力に不安?たっぷり読書】
学校での学習時間が減った分、余暇時間は塾や習い事に振り向けられ「結果として、ゆとり世代は多種多様な人間関係を築かなければならなくなった。休みくらいは気兼ねなく過ごしたいと思うのは自然なこと」(博報堂研究開発局研究員の原田曜平氏)
読書については「本を読んで勉強しないとなんとなく不安」(21歳女性)、「ビジネス本や自己啓発本などを読んで将来に備えたい」(20歳男性)との声は多い。
87年度生まれの場合、中学3年生で学校は完全週5日になり、年間授業時間は3割減った。円周率は3倍でいいと教えられたのもこの世代。
「がつがつ働いて稼ぐより、年収が低くても週2日休みたい」(青山学院大学2年生・男)は自身の就職観をこう語るが、高望みをしないにしても安定した職に就けるか不安もある。就職活動は来年からだが、簿記の勉強を始めた。金融の仕事に就きたいわけではない。「資格はないよりあった方がいいと思うから、とりあえず」
「就職する場合、仕事のやりがいより安定感を優先する」との考えが「あてはまる」「ややあてはまる」の回答率の合計は57.3%。将来の働き方では、公務員や弁護士など資格職を志向する傾向が強く「自分の会社や店を持つ」はわずか5.7%。
「自ら学び、考える力を身につける」ための教育が「おゆとり様」を生み出した。文部科学省は今年度から「脱・ゆとり」にカジを切るが、ゆとり教育を受けた世代は推計で2000万人に上る。

【つながり・口コミ消費】
「大手メディアの広告は効かない世代」(ゲストハウスの企画・運営を手掛けるグローバル・エージェンツ渡辺保之社長)はこう見る。大学でのビラ配りやSNS「ミクシィ」内でPRしている。仲間内のクチコミへの信頼度の高さが「おゆとり様」を取り込む。
ウィルコムでは昨春から、局地的なシェアの急増が各地で見られる。同社の全国平均シェアは7%だが、宮崎、岡山など地方だけでなく大阪でも10%台に急伸した。現象を引き起こしているのはいずれも18-19歳のゆとり世代。「クチコミなどで評判が広まり、高校生らが仲間同士で加入するケースが多い」ただ「クチコミによる爆発的な需要増はゆとり世代ならでは。こちらからの仕掛けには乗らない」

【手軽さと感動で、会話のネタ提供】
彼らが好むコンテンツの共通項は「サクサク」楽しめる手軽さと、仲間と話題にしやすいことだ。
若年層になお人気のケータイ小説。「恋愛や学校生活をテーマにした作品が多いのは相変わらず」(魔法のiらんど)。短い文脈の中にも何かしらの「事件」が織り込まれている。冷静に読み続ければ矛盾があったりするものの「そのときおもしろいか、共感できる何かがあるかが大事」で、構成の稚拙さは問題視されない。
ケータイ小説やニコニコ動画などの「サクサク」系は、ブログなどを通じて仲間に伝えやすく共有しやすいという点では他のエンターテインメントに勝る。また、ものにもよるが「素人っぽさなど突っ込めるスキがあるため、批評家タイプのゆとり世代と相性がいい」(M1・F1総研の中村洋介主幹研究員)。

【100万円あったら貯蓄】
・「もし100万円の臨時収入があった場合、何に使うか」との問いには70%以上が「貯蓄する」と答えた。次いで、衣料品36.9%、バッグ・靴などの服飾雑貨30.4%の順(複数回答)。パソコンや関連機器・ソフトは団塊ジュニアより9.4ポイント上回る一方で、団塊ジュニアでは2番目に多かった「国内旅行」は4番目だった。
幼少期はバブル崩壊で親の給料は伸びず、年金問題など将来不安を肌で感じる世代のせいか、コツコツ資金をためることが大切だという意識が強いようだ。
・「仕事のやりがいより『安定感』を優先する」は「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた人は57.3%。
・「将来どんな働き方を望むか」との問いに「公務員」と答えたのは15.2%。
・「資格をとって働く」は13.9%(団塊ジュニアは9.4%)バブル崩壊後のリストラの嵐やネットカフェ難民など「格差社会」を見ながら育ってきたせいか、職業選びに関しては保守的。
・「ゆとり教育世代」と呼ばれることについて「仕方がない」が41.0%、「不快だ」32.4%、「特に何も感じない」24.5%

【堅実志向でもちょっと違う、自己投資惜しまず】
・自己投資や将来への投資へ1カ月に支出する平均金額は「3000円未満」と限定的ながら「書籍」と回答した人が48.0%と最多で「装飾品」や「化粧品」を上回った。
しかし「自己投資をしている自分に満足しているだけで、結局身になっていないことが多い」(20歳女性)との声も。
・「お金が何より大切だ」との質問に「近い」「やや近い」と答えた人は31.9%(団塊ジュニアは26.0%)
・「百万円の臨時収入があった場合の使い道」は、1位が「貯蓄する」で70.4%(団塊ジュニアは65.7%)、「流行にはこだわらず、できるだけ安い商品を買う方だ」に「あてはまる」「ややあてはまる」と答えたゆとり世代は63.1%(団塊ジュニアは51.7%)
・「高級ブランドが好きだ」に「あてはまる」「ややあてはまる」は25.1%(団塊ジュニアは28.9%)
・「いつか自分の家を持ちたい」人は82.8%(団塊ジュニアは79.9%)
・「自分の車が欲しい」人は69.1%(団塊ジュニアは68.1%)
・「何歳で結婚したいですか」の質問に対しては男性が平均して26.7歳、女性が25.6歳と回答。

おカネにはシビアだが、「自分らしさへのこだわりがあり、限定品には弱い」(野村総研の松下氏)との指摘もある。
・「ときどき自分へのご褒美として支出している」人は69.2%(団塊ジュニアは62.8%)
・「どうしても欲しいものがあるが買えない場合どうするか」との質問では、1位が「お金がたまるまで我慢する」が55.3%で団塊ジュニアとほぼ同数。「家族からお金をもらったり、家族や知人から借りたりして買う」と答えた人は27.2%(団塊ジュニアは10.2%)


詰め込み教育への反省から生まれた新学習指導要領が小中学校の義務教育で取り入れられたのが2002年度。この時中学3年生だったのが1987年4月2日-88年4月1日生まれの「ゆとり教育第1世代」。
バブル景気の記憶のない世代で、平成不況の中で育った。アニメでは「美少女戦士セーラームーン」や「ポケットモンスター」など後に世界的に流行する作品が始まり、大きな影響を受けた。ゲームでは小学校入学前後にプレイステーションが登場、プレイステーション・ポータブル(PSP)やニンテンドーDSというように携帯型機にもなじんだ世代だ。
ファッションでは中学校入学前後に、歌手の「モーニング娘。」や「SPEED」が着用して人気に火が付いた子供服のナルミヤブームがあった。幼少期からかわいらしく着こなすことに慣れ、ファッション感度が高いとの声も多い。
大学受験では一芸入試が定着していた。学校にはパソコンが普及し、携帯電話を手にする情報化社会の中で成長した世代でもある。
今年(2009年)成人する平成元年(1989年)度生まれは中学1年からゆとり教育を受けており中核世代となる。

ゆとり世代の特徴として日経MJでは、第一に「学校生活」の重みが薄れ親や家庭の影響が強まったこと、第二に既存知識の学習は不要という価値観を持っていること、第三に不況慣れを挙げている。
少し高いものを売りたい企業のセールス文句として「自分らしさ」や「個性」が消費や生活のキーワードと言われて久しいが、本当にこうした言葉を生き方の軸にすえた自己顕示欲が薄く、いい感じに肩の力が抜けた世代が登場してきたようだ。
「彼らが新しい消費や文化を築くのか、社会に出て萎えてしまうかは、まだ予想できない」と特集記事は結んでいる。

(2009/01/01, 日経MJ)
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